2021年はOmodaka(沢瀉)20周年! おすすめ曲10選

音楽

2001年7月、Omodaka(沢瀉)1作目となる「MONKEY TURN」のCDとレコードがリリース。それから2021年で20年を迎える、音楽とモーショングラフィックスの突然変異的融合の実験企画Omodaka。

この20年間にリリースされた物理CDは10作。プロジェクト初期は「競艇」と「民謡」の2軸で活動していたが、2008年リリースの「Favorite Games」で競艇シリーズは完結している。

 

筆者がOmodakaを知ったのは昨年1月に行なわれたイベント「FM2D」だったが、そこからOmodakaの独創的な世界観に引き込まれ、Spotifyで毎日のように聴いていたが、いつしか“物理CD”も全部購入していた。

 

そんな筆者のイチ推しOmodaka楽曲を、悩みに悩み抜き厳選して10曲紹介。なお、あくまで筆者が個人的に選んだものなので、「○○がないぞ」「なぜ××なんだ」などと思うような一曲があっても、ご容赦いただきたく。。。

 

・Kokiriko Bushi

日本最古の民謡といわれている、富山県民謡の「こきりこ節」。それがIncognitoの「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」を大胆にフィーチャーし、ピコピコ4つ打ちダンスチューンになった。

楽曲もさることながら、シモ手モニターのガイコツダンスからのシステムエラーというライヴパフォーマンス、さらに手やガイコツや一つ目の女体が冥界らしき場所で踊り狂うMVなど、なにからなにまで「なんで……!?」と思わざるを得ない、芸術的な狂気に満ちた、Omodakaの代表曲ともいえる一曲だ。

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・Yosawya San

Omodaka=チップチューンを決定づけた楽曲。

The James Taylor Quartetの「Free Your Mind」と端唄「奴さん」を掛け合わせ寺田創一氏の詞をのせたチップチューンナンバーで、まさに“キメラ民謡”の真髄ともいえる一曲だろう。

MVも、横スクロールで進む、ピクセルアートで描かれた競艇場のアニメーションで、統一された世界観にシビレる。

コーラスには、「殺人の時効は15年」「よこいさん」などの寺田作品でおなじみの歌い手、故・広谷順子氏が参加。

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・Bisraam

1st EP「Monkey Turn」収録。島原の子守唄→五木の子守唄→竹田の子守唄というメドレー形式の楽曲。

ピコピコ感は皆無だが、大人の美しさがハートにグッとクるラウンジミュージック。

12インチレコード版「Monkey Turn」やアルバム「Sanosa」には未収録、ライヴでは演っているところを見たことがない、“影の薄い曲”だが、“隠れた名曲”ともいえる。

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・Tawaratsumi Uta

とってもトロピカルで、真夏のビーチが似合いそうなチップチューン。

もとの曲は「南部俵積み唄」という青森県民謡で、全く夏にもビーチにも掠りもしないが、筆者はなぜか常夏の情景を思い浮かべてしまう。

チップチューンの中でさりげなく主張している「ンーンーンンンー♪」というサウンドがセクシー。

先のBisraam同様アルバム「Sanosa」未収録で、ライヴでもまず見ない曲である。EP「Plum Song」収録。

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・Kyotei Daiski

ピュアで爽やかな、競艇への愛を歌ったラブソング。

「サルゲッチュ」シリーズの「ピポサルのテーマ」と同じメロディが使われているのが特徴。

おすすめは尺の短い「Sanosa」収録ヴァージョン。筆者は個人的に、この曲を聴くと不思議と仕事のモチベーションが上がる。

アウトロで転調して終わるところは何度聴いても心を鷲掴みにされる。

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・Kirakira Bushi

2016年にリリースされたチップチューンのコンピレーションアルバム「8BIT MUSIC POWER」収録。同アルバムには「KIRAKIRA BUSHI GB」も収録。アルバム「Gujoh Bushi」収録ヴァージョンではチップチューン感が少しだけ薄く、題名の通りピコピコよりキラキラ度が増している。

曲名に“節”と付いているものの、民謡っぽい曲ではない。どちらかというとハウス寄りの楽曲で、4つ打ちが気持ちいいチップチューン×ハウス。

自分が流れ星に乗って空を飛び、真っ暗な空に光る無数の星屑の間をすり抜けているかのような疾走感が味わえる、爽快な陶酔感のある曲。

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・Chakkiri Bushi

「ちゃっきり節」は静岡県の私鉄・静岡鉄道が運営していたテーマパークのCMソングという、昭和生まれの“新民謡”だが、CMソングにもかかわらずNHKでも取り上げられたという、異色の経歴を持つ。

キャッチーでとっつきやすいメロディと、ピコピコとピアノの絡みが絶妙で、テンションが上がる楽曲。筆者は自宅で仕事中に突然歌い出しを口にしたり、曲に合わせてヴォコーダーの「チャツミー、チャツミー♪」と一緒に歌ったりしている。親しみやすさはOmodaka曲の中でもトップクラスだろう。

ohuton氏がイラストを手掛けた「丱髪小姐(しすたー)」三部作MV(他は同じく「Gujoh Bushi」収録の「淡海節」「桑名の殿様」)では、歌詞が“音ゲー”のように上から下へと降ってきて、崩れる。

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・Shimotsui Bushi

“静”の美しさが疲れた心に沁みる“癒し系”。

ライヴでは「三界節」(※新潟県民謡。「Bridge Song」収録)に続いて、2曲目に演奏されることが多い。カミ手のモニターに合わせて腕を動かすパフォーマンスで、「あぁ、Omodakaのライヴに来たんだな」ということを実感できる。

余談だが、同曲が収録されているアルバム「Bridge Song」は、先の2曲が収録されている「Gujoh Bushi」と対をなすように、凛として涼しげな“静の美”が際立ったアルバムとなっている。

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・Fortunate 1Mark

作曲はコモエスタ八重樫氏と共作。もともとはOmodakaの競艇シリーズとして作られた曲ではなく、2000年に双子のユニットan☆doに提供された、ポップな楽曲だった。(an☆doヴァージョンの金沢明子氏カバーは、同名のEPに収録)

なにかブチ切れたいことがあったり、陰鬱な(鬱屈した)気分になったら、大声+振り付きでこの曲を歌えば大体治る。そのくらい不思議とパワーがもらえる楽曲である。

ベクタースキャン風“競艇ゲーム”のMVも、レトロな近未来感で“味”がある。

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・Kyoteizinc(VIDEO MIX)

2005年発売の同名のEPでは「両津甚句」(※新潟県民謡。「Gujoh Bushi」収録)の替え歌のような楽曲だったが、木津裕史監督のMVヴァージョンで大化け。歌詞も「Hahh」と「Kyotei」だけになり、笛のような高音がメインの、スピード感溢れる日本舞踊風の楽曲になった。

MVの、康本雅子氏がカクカクと舞うコンテンポラリーダンスと相まって、言い知れぬ狂気を感じる一曲である。ライヴでは「over hope ver.」として、Omodakaのセリフ(英語)が入る。

これは叫ぶための曲。8小節ごとの4拍目――

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浦和武蔵
5月5日生まれB型。(自称)永遠の20歳。埼玉在住。ゲームライターやスマホ系ライターとして、現在フリーで活動中。放送作家、リサーチャー、ゲームプランナー、シナリオライターの経験もあり。ここ数年はチップチューンにハマっているらしい。