オリジナル小説「チーズハムタイ」(仮)<1>

オリジナル小説

 先行きも知れず、思いのままに小説を書いてみたいと思う。どのような展開になっていくかは、その時の気分次第である。

オリジナル小説「チーズハムタイ」

ロベの先にあるラヴ

 高校でやり直せると思い、商業高校を選んだ。中学時代はさっぱり勉強ができなかった。というよりも、わからないことを質問してもちゃんと答えてくれる先生がいなかった。

 例えば英語だ。先に教わったのはローマ字だったが、これが厄介だった。ローマ字から抜けられない。

 「LOVE」

 なぜ、「ラヴ」と発音するの? 教わったローマ字なら「ロべ」でしょ。

 こう食い掛かるも、その先生は面倒くさそうに「それはローマ字だから。ラヴはラヴ。そう覚えなさい」と一辺倒。

 でも、ぼくは「ロべ」で躓いたままだ。なぜ「ロべ」じゃないの?

 こういう性格だから、なかなか前には進まなかった。どんどん遅れていく。

 ぼくはもともとそういうところがある。授業で疑問に思ったことを、放課後一人、学校の図書館で本を広げて調べていた。差し込む夕日。あの光景はいまも頭に残っている。

 「ロべ」「ロべ」なぜ「ラヴ」。

 数学も、国語も、歴史も、化学もそうだった。

 なぜ、ルートを使うの? なぜ、五七五という字数なの? なぜ第二次世界大戦は起こったの? なぜ炭素と酸素が結合すると二酸化炭素なの? なぜ、なぜ、なぜ…。

 限られた授業時間で教育課程を進ませるには、少し足手まといだったことだろう。そうやってぼくは遅れをとった。

 起死回生。

 それが高校だった。ゼロから学べるもの。簿記にそろばん、経済学…、そう、商業高校ならゼロの科目がある。

 そう希望をもって進んだ。

 それが…だ。

 同じ学年の生徒8割が女子とは思わなかった。ラヴで躓いでいたぼくが、この世界でやっていけるのだろうか…。やり直す思いで入った高校。それは恋物語の始まりだった…。

つづく

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