大御所の紅白卒業、意義を再確認 自分の趣味を超えたところに面白味

 毎年恒例のNHK紅白歌合戦の出場歌手が24日、発表された。“落選”という言葉の響きは、あまり好まないが、それでもどの歌手が漏れたかは気になる。今年は、和田アキ子など、紅白の顔ともいうべきレジェンドの名前がなかった。

 昨年、紅白のリハーサルの取材をおこなった。リハながらもその歌唱力の高さに驚いた記憶はいま新しい。若手には若手の魅力があり、大御所には大御所の魅力がある。それを間近で体感することができた。

 落選した和田アキ子のソウルフルな歌唱力はいわずもがな。天童よしみの声量の大きさには驚いた。まさに圧巻である。しかし、テレビでは伝わりにくいところもある。視聴者も間近で聴いたら、心を奪われることであろう。

 自分の好みの音楽を聴くのも良い。趣味なのだから。しかし、その範囲(ジャンル)を超えて聴くところにまた別の面白味があるのではないか。その機会を与えてくれる一つに、紅白がある、と近々思うのである。そうしたことを鑑みると、昨今の大御所の卒業、落選は寂しい気がする。

 テレビは視聴率が重要であるから、若年層を掴もうと思えば、若手の起用は多くなる。それも正しい選択だ。そのなかで、それぞれの世代に支持されている歌手がバランスよく出場するのが好ましいであろう。もちろん、言うのは簡単だ。

 そこに難しさはあるが、改めて卒業、落選が話題になっているなかで、紅白のその意義を再確認する良い機会なのではないかと思うのである。

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