セカオワ藤崎彩織の直木賞候補入りに出版業界の未来を憂う戯言、良識としての文壇の動きに期待も

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 SEKAI NO OWARIのSaoriこと藤崎彩織氏が10月に発売した、初小説『ふたご』が20日、今年下半期の直木賞候補作に選ばれたことが発表された。選考会は来年1月16日に東京・築地「新喜楽」でおこなわれる。

 直木賞の候補には『ふたご』のほか、『家康、家を建てる』で第155回同賞の候補になった門井慶喜氏が『銀河鉄道の父』で3度目のノミネート。また『若中』で第153回同賞候補になった澤田瞳子氏の『火定』や、『ミッドナイト・バス』で第151回同賞候補の伊吹有喜氏の『彼方の友へ』、初ノミネートの彩瀬まる氏の『くちなし』など、全5作品が選ばれた。

 『ふたご』はピアノだけが友達だった夏子が、同じ中学の先輩・月島に翻弄されながらもバンド活動という居場所を見つける自伝的青春物語だ。

 最近では、2015年にお笑い芸人のピース・又吉直樹氏がデビュー小説の『火花』で第153回芥川賞を受賞して以降、文芸誌の編集部は躍起になって文の書ける芸能人を探している気がする。

 そしてそれを評価してしまう、いわゆる“文壇”は最後の門番として役目を果たせているのだろうか? 俳優の水嶋ヒロ氏が『第5回ポプラ社小説大賞』を処女小説『KAGEROU』で獲ったが、彼はその後どうしているのだろうか…。

 今や大作家である、町田康氏はINUというパンクバンドのボーカリストとして活躍する傍ら、1996年に処女作『くっすん大黒』で文壇デビューを果たした。同作は野間文芸新人賞を受賞しているが、彼でも『きれぎれ』で芥川賞を獲るまでに4年かかった。

 本が売れないと言われて久しいが、とりあえずネームバリューのある有名人が本を出せば売れるという道理で出版業界がこのような動きを加速していくのはいかがなものか。そんな動きの歯止めとなるのが、良識としての“文壇”ではなかったのか?

 とにかく直木賞の行方と、藤崎彩織氏の次作がこれからの出版業界の方向性を指し示しそうだ。

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